会社、辞めます。そう、伝えた。
ダムが崩壊したように、私の心は潰れた。
昨日、私は一人、黙々と難易度高めの仕事をしていた。
正直、一人ではどうしようもなく、困り果てていた。
困りながらも少しづつ進めていた。本当は助けが欲しかった。
しかし、その難易度のものに付いてこれる人がいなく、皆、逃げる人ばかり。
無言で私はスルーされる。
今回もそうなのだな。私は思った。
同時刻、別の人が困っていた。
その人のところには助けの手が入っていた。
納期が多少優先ではあったものの、誰でも出来る仕事だ。
あー、こんなにも差があるものなのか。
私は一体今まで何で頑張っていたのだろうか?
なんの為に頑張っていたのだろうか?
昨日の帰り際には、少しだけ気をとり直してみた瞬間もあったけれど、夜、寝れなかった。
寝付けなくて、体が震えて、火照って、動悸がして、でも力が入らなくて。
あー、この感覚。まただな。
なるべく落ち着けるように深呼吸して。
いつの間にか朝になっていた。
この時間なら社長、出社しているな。
と思って電話をした。
「会社、辞めます。心が折れました」
社長は仕事の納期のことだけ気にしていた。
出来ない分は断らなければいけないじゃないか、と。
それだけでもやってからではダメか?と。
私は仕事をする為の道具だった。
もう、助ける気は残っていなかった。
今夜、私物だけ引き取りに行って終わりにしよう。